埼玉県警察学校にてストーカー対応についての講義をしました。

埼玉県警

テーマを「ストーカー問題への当会の対応と留意事項、警察に求めること」としました。
以下のような内容を話しました。

◆ストーキングは「内在化」し、「凶悪化」し、「スピード化」している。

SNSを手にしたことで気に入らない人間に脅迫的なメッセージを匿名で簡単に送ることができる。

別れた恋人の交際中の写真を流通させるという卑怯で残酷な手口も急増した。

関係性が希薄であれば残酷なことをしやすく、事態が深刻化する。

司法は常に過去を扱い、取り締まりと処罰で対応する。しかし、未来の犯罪を防ぐことは更に重要。

ストーカー規制法は、つきまといをする人に「あなたのしていることはまだ犯罪ではないけれど、次にしたら犯罪ですよ」と警告する「初犯防止」を意図したありがたい法律である。

まず一番目に大事なのは、予兆の発見

警察官は相談の中に犯罪の予兆を感じ取るセンスが必要。

加害者がひそかに武器の準備をしているといった場合は、加害者の家族が異変に気づき、警察に相談することは少なからずある。

警察を訪れる相談者は常に素人。判断を任せるのは危険。

加害者の家族の依頼により加害者を訪ね、犯行計画を知れば止めさせ、自傷他害の恐れが高まっていれば医療保護入院や措置入院に繋げてほしい。

初犯防止のために重要なことの二つ目は、警告の機会を生かし内容を充実させていくこと

警告時は警察官が実際にストーカーと会い、ストーカーの危険度を把握するチャンス。

警告が効くストーカーか、警告をしても事件を起こすストーカーかを見分ける。

単に警告文を読み上げて終わるのではなく、ストーキングの経過、特に過去の暴力の有無、長い期間のつきまとい、逮捕や警告歴の有無、生活環境、失業や体重の増減などの大きな変化、孤立、家庭内での変化、思考の偏り、態度などから心理的危険度を見究める。

そのためには、警告時に人間心理に詳しい心理士などの協力があれば、より正確な判断ができる。ここに司法と、未来の安全に寄与する医療の連携が成立する。

危険度を把握し、危険度が高いと判断した場合は物理的引き離しを行い、加害者家族へ連絡する⇒精神保健福祉センター、医療機関を紹介する

◆ストーキングとは

ストーキング = 無許可接近

ストーカー = ➀特定の相手に過剰な関心を固着させ、②過剰な接近欲求をもち、 ③行動制御が至難な者

ストーカーの動機 = オーストラリアの研究機関の動機別分類

失恋をきっかけとする「拒絶型」、不当な扱いを受けていると思い込む「憎悪型」、孤独ゆえ知りあいに対して求愛する「親しくなりたい型」、憧れの対象に個人的関わりを求める「相手にされない求愛型」、常軌を逸した性癖から窃視や尾行をする「略奪型」

◆ストーカー対策のゴール

ストーカー対策のゴール = ストーカーが無害な存在になること。

接近しないと決めることができ、決めたことはできるようになること。