自身のこと・仕事・癖

カウンセリング、セラピー、条件反射制御法が悩みを解決します

人から愛されない、評価されない、自分を愛せない

対人関係での苦しみと同等に、自分に対しての苦しみがあります。人から愛されない、評価されない、自分を愛せないという悩みを抱えている人は少なくありません。こういう生きにくさを感じている人はカウンセリングとセラピーから癒しが得られることでしよう。

5歳のころの自分の写真を見たことがありますか? 未来も過去も社会もない、ただそこに自分という太陽があるだけの世界です。子供の知性は未来も過去も必要としない知性なのです。ところが時とともに他者のまなざしにさらされ、影響を受け、未知への不安に襲われ、本来の知性が失われていく。「毒化」が始まります。それに気づいたら、家に自分の5歳のころの写真を飾り眺めましょう。子供のころの自由な知性が戻ってくるのを感じられるでしょう。

知性を取り戻すこと

「毒化」は社会化の過程で起きますが、よくないことをしたり辱められたりすると反社会化の方向に「毒化」が進むことが起きます。生来の知性である自分の軸が歪み、思考と行動は反社会化の方向にぶれていくのです。

良くないこと、辱められたことを忘れることは無理でしょう。でも、その出来事は自分全体を「毒化」させたわけではないのです。そのことは自分の一部に過ぎないのです。それを切り離すことです。すると残った自分は健全そのものです。

例えば、傷んだ果物は傷んだところを切り取り、きれいにカットしてお皿に乗せれば、ひと手間加えた素敵な果物になります。あなたにどんな傷があっても大丈夫です。切り離すことで新しい価値のある自分になります。このように自分を見つめる目を変える、物事の見方を転換させるにはカウンセリングとセラピーが助けになります。

組織、仕事

組織の一員として、失敗したときや低く評価されたときは、自責の念、自己嫌悪、組織を恨むことが起きます。それは目の前の出来事に強く影響を受けているからです。そういう時に思い起こさないといけないのは、物事には「非本質的なこと」と「本質的なこと」の二つがあることです。

例えば、外見、お金、出世、優劣へのこだわりなどは「非本質的なこと」です。「本質的なこと」とは、あなたの魂と人格の成長にかかわることです。「非本質的なこと」にとらわれていたら「本質的なこと」に影響が出ます。カウンセリングでは、まず、あなたがとらわれていることは「本質的なものかどうか」を一緒に考えます。

本質に基づいての反省には自己嫌悪や人を恨むことはありません。反省は本質的に自分のためにするものだからです。「迷惑をかけてすみません」と言うのは悪くはないでしょう。ですが「私は自分のできないことを無理にしたんだな、今度は自分にはできない条件で命令されたら条件を変えてほしいと上司に言おう」「少しの援助をお願いしよう」といった反省こそ意味があるのです。そうすれば本来の能力は自然に伸びていけるのです。

ゲシュタルト・セラピーの利点

やめられない癖

他者と未知を恐れるほかに毒化の原因には「癖」があります。「癖」によって思考と行動は固まり動かなくなり子供の持つ自在さは失われます。

きっかけは、初めて「それ」をしたとき、ドキッとした、安心した、快感だった、得した感じがした、好きになった、などの感覚が起き、そしてもう一度「それ」をし、二度が三度、三度が四度、と繰り返すうちに、ついに「それ」に「ハマって」いくのです。「ハマる」とは、コトやモノや人に関心が固着してしまうこと、繰り返してしまうこと、止められなくなることを言います。

恋に落ちると言いますが、それは特定の相手に「ハマる」ことだと言えます。カウンセリングとセラピーを用いても対処できない強力に条件付けられた「ハマり」には、「条件反射制御法」という脳トレが助けになります。当会でも脳トレをすることは可能ですが、ストーカー行為や特定のものに対する強い嗜癖などがある場合は、専門医へ紹介することができます。

「条件反射制御法」とは

下総精神医療センターの平井愼二医師が開発した治療法です。

一言でいえば、望まない「癖」や「習慣」をやめるための技法です。医師でなくても他者にも自分にも施すことができます。もともとは薬物などの物質摂取障害に開発された技法でした。ロシアのパヴロフ(1849~1936年)という医学・生理学者は、実験により餌の時間に必ずベルを鳴らすと、餌が出なくてもベルが鳴れば犬は涎を出すという現象から、動物と人間の神経活動に法則=行動原理があることを発見しました。「信号系学説」とも「条件反射学説」とも呼ばれる学説です。パヴロフは人間の脳には二つの中枢(司令塔)たる神経系があると説明します。それは、「無意識的」な神経系と「意識的」な神経系です。前者を「第一信号系」、後者を「第二信号系」と呼びます。

「第一信号系」は、人間だけでなく動物全体にも備わっている、いわゆる「動物的な脳」で、「防御」「摂食」「生殖」という生存を支えてきた行動を司るシステムで、それらに成功した行動が同じように再現するようにします。環境から入力された「刺激」に対して、定まった中枢作用が働き、環境に「反応」を出力します。これを「反射」と言います。ある「反射」に対して「刺激」が入り、「反応」が出て、その「反応」が新たな「反射」の「刺激」になって入り、「反応」が出て、と次々に「無意識的」に「反射」が連鎖するという「反射連鎖」により、行動をコントロールするシステムが「第一信号系」です。「反射」には基本的には二種類あります。一つは、生まれつき持っている「無条件反射」という神経活動です。例えば胃や腸は生まれつき自動的に動いています。モノが飛んで来たらとっさに目をつぶる、やけどするほど熱いモノを手にしたらとっさに離す、赤ちゃんが誰に教わるともなく乳を口に含むのも生まれつきの神経活動です。これらは、生存と直結しています。もう一つは、動物が生後の環境とやり取りをしたことによって持つことになった「条件反射」という神経活動です。ベルに反応する犬、お手の合図に手を上げる犬、梅干しを食べたことのある人は梅干しを想像するだけで唾が出ますが、食べたことのない人は唾は出ません。これらは「無条件反射」を元にして、新たに条件付けられた神経活動です。「ハマる」とは、「条件付けられる」ことを言います。健全な「ハマリ」も、悪癖や悪習慣と言われる「ハマリ」も、いずれも後天的に「条件反射」が成立した状態です。

「第二信号系」は、数百万年前に一部の動物が起立するようになり、手を使って作業を行い、失敗を重ね、成功に至るという作業を繰り返したことにより生じ、発達した「意識的」なコントロールシステムです。思考し、評価し、判断し、計画し、予測し、決断し、実行することを可能にする、人間だけが持つ「人間的な脳」です。私たちは普通に暮らしていると、自分で考えて、行動していると感じています。自分の「意思」によって行動していると思っています。ところが、「意思」に反したことをしてしまうことは多く、「意思」をしっかり持てば行動を変化させたり問題を解決できたりするものでもない事柄はあふれています。私たちが「意思」と言う言葉で表している作用は、「第二信号系」の作用なのです。人間が行動するときは、二つのコントロールシステムがお互いに影響しあっています。

ある行動が条件づけられているか、どうかを見分けることは簡単です。止めようと思えば簡単に止められるか、止めるのが至難に感じられるかの違いです。至難を感じたら、条件づけを解除するための脳トレ、「条件反射制御法」を実行してほしいのです。 

カウンセリングは、「第二信号系」に働きかける「対話」により、過去と未来を適正に評価する、そして進む方向の再決断に至るものであるのに対し、セラピーは、カウンセリングと治療の中間に位置し、「イメージ」により「感覚」に働きかけ、「今、ここ」を「体験する」ことをします。過去の出来事を扱うにしても、今、起きている出来事として体験し、当時の未完了の感情を、今、完了させることをします。「治療」とは「思考」や「決意」などの「第二信号系」のはたらきではどうにもならない「疾患」を治すものです。「条件反射制御法」は「第一信号系」に働きかける「治療作業」、つまり「脳トレ」なのです。私自身やってみたら、10代の頃から抱え続けていた「あがり症」と「対人恐怖」を治すことができました。「条件反射制御法」の技法を使い、日常を困らせる「ハマり」は自分で治すことができる、という朗報をお伝えできるのは私の喜びです。病的窃盗、病的賭博、性嗜好障害、PTSD等の方には、平井愼二医師の病棟へのご紹介もしています。これらの疾患にも高い効果を出しています。

治したい思考や癖

お悩みがあればまずはご相談ください。