千葉県警察学校にて、人身安全関連事案対策専科にて講師をいたしました。

2月15日、千葉県警察学校にて、人身安全関連事案対策専科にて講師をいたしました。

ストーカーとDV被害者と加害者の違いや、被害者心理の違いなどについて話をいたしました。

加害者の危険度に応じた対応、中でも医療に繋げる対応について話をいたしました。

ちなみに、厚労省による「措置入院の運用に関するガイドライン」(平成30年3月27日)を受け、警察庁は、令和3年3月26日に各県警本部長に「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第23条に基づく通報などの運用上の留意点について」を通達しました。

ガイドラインでは、次のように書かれています。

Ⅱ2 警察と自治体との「警察官通報」以外の協力

警察が様々な活動の中で接した精神障害者については、警察官通報の要件に該当しない場合であっても、精神保健医療福祉に関する支援が必要と認められる場合がある。自治体は警察官からこうした精神障害者に対する支援についての相談があった場合には、法第47条第1項又は第2項に基づき、必要に応じて、その相談に応じ、本人又はその家族等に対し、精神障害の状態に応じた適切な医療施設の紹介を行うなど、これらの者が必要な精神保健医療福祉の支援を受けられるよう積極的に対応することが望ましい。一方、自治体が支援等に関与している事案において、警察官の臨場を要請することが必要な場合もあると考えられる。自治体は、警察との間でこれらの対応や協力が適切かつ円滑になされるよう努める必要がある。

犯罪を犯しかねない行動制御能力に支障をきたしている危険度の高いストーカーを警察と保健行政が連携をし、医療に繋げていってほしいと思います。

以下、講義内容の一部です。

◆ストーカーとDV加害者の違い

1)ストーカー

「特定の相手に対する固着した関心と過剰な接近欲求により無許可接近する者」+「不特定の相手に対し、性癖により無許可接近、窃視、監視を行う者」

2)DV加害者

「近しい者に対し、支配欲や性癖により暴力行為を行う者」

◆ストーカー被害者とDV被害者の違い

1)ストーカー被害者

「加害者と絶縁したい、関心を持たれたくない」

2)DV被害者

「加害者に反省してほしい、暴力から逃れたい、関係の継続は未定」→ 一旦、引き離しが必要 被害者のカウンセリングが必要

◆ストーカーの心理的危険度と対応のポイント

1)リスク段階 (追いすがってくる) → 被害者へのアドバイスで収束可能(貸し借りの清算、明確な拒否伝達)

2)デンジャー段階 (批判・攻撃が始まる)→ 介入は不可欠 (職場や学校などへの協力要請、弁護士に代理行為を依頼、警告の発出、治療の勧奨)

3)ポイズン段階 (犯行が起きた・犯行の準備が発覚した)→ 逮捕または強制的入院が必要 (被害者保護機関との連携、避難場所の確保、保健行政への通報、ストーカー規制法の禁止命令、DV防止法の保護命令、逮捕)

◆ストーカー対策に必要な体制

1)「取り締まり機能」

2)「被害者の保護・支援機能」

3)「加害者の足抜け支援機能」